2005北海道〜東北 9

日光大谷川ユースの朝。

ユースの朝食はパン食だった。国際観光都市のユースは 外人さんが多く 京都 奈良 広島 長崎 などのユースは 外人の宿泊が多い。
日光もそのひとつ。今日はフランス人 ドイツ人 アメリカ人 イタリア人と多彩だったが 外国語の苦手な私は せっかくのフランス人のオネーさんの横に座ったのに 何も話さずちょっと落ち込み気味。

かわりに向かいの日本人のおねーさんが通訳してくれて 少しだけ意思の疎通がはかれたが ただそれだけ。
いかんなぁ。。

日光の名物神橋の手前の交差点。
世界遺産指定で賑わっている日光市だが なんだかちょっと役不足かなぁ。

外人さんが沢山来られているのに 街並みがちぐはぐで統一性がなく 重厚感のある建物が少ない。

商店は不景気の為か 時代に取り残された感がある。裏通りは潰れてしまった土産物屋 病院 旅館 ホテルなどがひしめいている。
空き地や潰れた家の庭には 雑草が怖いくらい生え放題。

日本の代表的な観光地として 外国人に見せるには 恥かしいくらい寂れている。
日本政府が助成するなりして 整備するべきだろうと思う。
歪んだままの歩道のフェンスが 現状を物語っている。

大谷川の河川敷に咲いていた オオハンゴンソウ。北海道では見かけなかったが 津軽海峡を越えて青森にはいると 沿道に沢山咲いていた。

東北を南下するときも 国道脇の道路端には 必ずこの花の群落が見られた。

今回のたびは ずっとずっとこいつと一緒だった気がする。

帰ってから調べてみると こいつは北米からの帰化植物らしい。
「大反魂草」 お盆にふさわしい名前の花

昨日コース取りを計画していたのは 日光から中禅寺湖〜金精道路〜沼田〜吾妻〜鳥居峠〜上田〜松本の日本ロマンチック街道を通るコース。
途中から志賀高原へ抜ければ 本州で最高のツーリングコースだと思う。

以前 同じ時期に走ったときは日光から善光寺まで走ったが 滋賀草津道路では雲の上のハイウェイに出て 今まで味わったことのない気分を味わったことがある。

しかし 東照宮前からコースの方向を観望すると 真っ黒な雨雲が行き先をさえぎっている。
携帯でピンポイント天気を検索すると 中禅寺湖から沼田 新潟にかけて雨の模様。
つまり日本ロマンチック街道と 水上温泉から抜ける新潟方面は 雨が降っているらしい。

別のコースを考えた。
中禅寺湖から大谷を抜け 足尾の町を抜けて 前橋 高崎 碓氷峠から佐久市へまわって 和田峠 諏訪に抜けるコース。
しかし碓氷峠越えに 今のハンターではきついこと また最初の中禅寺湖あたりが 雨が降っていることなどから このコースも断念。

晴れた方向というと いったん南へ下って利根川か渡良瀬川あたりから 西へ進むコース。
おりしも 関東の友人から お天気情報を携帯メールでいただく。

「日本海側と太平洋側は どちらも雨模様につき 真ん中の山側を通るべし」
ありがとう感謝します。
こういうときの 人の助けは心強い。
指示に従うことにする。

日光から南下した鹿沼の町。
なかなかしゃれたほうき専門店。
寄って中を覗きたいが 先を急ぐので今回は我慢する。

やはりもう少し 排気量に余裕のあるバイクに乗って来ればよかったか?

小排気量バイクは 気楽で楽しくて 私にとっては疲れなど気にならない 良い旅の相棒だが 無理の利かないところが難点だ。

のんびり楽しむ為には どこかで埋め合わせをしなければならないのか。やはり250ccクラスがツーリングバイクのベストチョイスか?

手打ちラーメンでおなじみの佐野市の手前 田沼の道の駅。昼前にして すでに気温は30℃をとうに越えている。

人間も暑さでバテ気味だが それ以上にハンターが 言うことを聞かなくなっている。
路面温度は多分50℃を越えているだろう。

エンジンは 一昨日オイル交換をしたにもかかわらず 熱ダレしてきた。
2時間も連続走行していると 回転が上がらない クラッチが切れにくい ギアショックが大きい ギアが入りにくい 等々。

ホームセンターでオイルを買って その場で交換する。廃油はガソリンスタンドで引き取ってもらった。
ここでチェーンも調整する。相変わらず伸びてきているが 新品チェーンなのでまだまだ余裕あり。
バイクの不調は幾分マシになったが 暑さは変わらずエンジンの機嫌はよくならない。。

関東の道は 全て東京へ向かって同心円状に広がっている。
関東各地から東京に行く時は 便利このうえなく 道に沿っていけば 東京への出入りは簡単だ。
しかしたとえば北関東を東から西へ行く場合 何度も道を乗り換えて注意深く地図を見ながら走らないと 目的地には辿り着けない。みちなりに進むと 新潟に行ってしまう。

千葉から埼玉へ行く時なら 16号線という手もあるが 埼玉以北になると 一本で行くことは不可能だ。
田沼から足利 大田市 利根川左岸のR354を西進し 坂東大橋を渡ってR254信州街道へ出て 製糸工場で有名な富岡まで来た。

ここでやっと昼食をとる。
バイパス沿いのあんべというレストランに着いたのは 午後2時2分。
ここのお店は 2時から6時まで昼休みで もうやっていないのだが ダメもとで店員さんに

「もうダメですか?」と聞いてみると 優しいおねえさんは 時計を振り返り ちょっと考えてから ウインクをして 「どうぞお入りください」と入れてくれた。

おなかペコペコで倒れそうだったので 感激してしまった。ありがとうおねーさん。。

上ロースカツランチ
分厚いカツに 茄子の素揚げ 野菜サラダ ご飯 漬物 味噌汁 デザートには スイカ 牛乳寒 アイスコーヒーと付いていて とってもお得でした。
美味しかったしね。ごちそ〜さま!(980円也)

腹もふくれて 大満足で下仁田へ入り 信州への抜け道を急ぐと 峠手前にこんな店が!
名物の下仁田こんにゃくを製造販売&試食販売しているお店。
200円でこんにゃく食べ放題のカンバンを見て 沢山のお客さんがこんにゃくを食べていた。

私も試しに200円を払って参加したのだが 黒板消しくらいある大きなこんにゃくを 串に刺して置いてあって 自分で味噌ダレの鍋に突っ込んで 好き勝手に食べるシステム。

大きすぎて 一つ食べるのがやっとの大きさだった。昼食後だったので あんまり食べられなかったが 味噌ダレは甘くてコクがあって たいへん美味しかった。
オススメです。


食事を済ませ 関東と信州の間を繋ぐ峠を(内山峠)登る。
普段ならこんな峠くらい 楽勝で登れるのだが なかなか思うようにスピードが出ない。
この暑さとエンジンの不調 熱ダレ以外に なにか理由がありそうだ。

そういえば さっき交換したオイルは ちょっと贅沢をしてホンダのS9を入れた。
カブの指定オイルはG1 良くてもG2かG3だ。

S9は「遠心クラッチ以外」のバイク 特にスポーツバイクに良いそうだ。

オイルの選定を間違ったようだ。
クラッチが滑って空回り気味のようだ。
坂を上るのに苦労する。

峠を越え関東から信州へ 佐久市内へ入ると 信州とはいえ 盆地には熱気がこもって とても暑かった。
バイクをだましだまし走らせ 熱ダレとクラッチ滑りに悩まされながら 和田峠を越え やっとのことで 下諏訪の町までたどり着いた。

ここで お盆だというのに バイク屋さんが開いていたので オイル交換をお願いする。
オイルはホンダ純正のG1。
今回高い外国製オイルや いろんなオイルを使ってみたが 皮肉なことに一番安いG1がハンターには 一番相性が良かった。
高熱によるダレも半分くらいに減った。

オイル交換後 気持が楽になったので 諏訪湖畔の有名な立ち寄り湯 片倉館にて入湯。
立派な建物は どこかの博物館のように堂々として 風呂には絶対に見えなかった。
風呂の内部は 大きな深い湯船ひとつと浅い小さな寝風呂が二つ 
大きなほうは仙人風呂と呼ばれ ここの名物だ。

立って入れるほど深い風呂は 立ったままだと100人は入れるくらい大きい。

昔 製糸業華やかなりし頃 製糸工場の女工さんが 風呂に一度に効率よく入れるように 深くつくられたとか・・・

上諏訪の町で鰻の夕飯をとり 今夜の宿は やっぱり道の駅でビバーク。
私はステーションホテルと呼んでいる。

なんども寝ていると 慣れたもんだ。
今日は屋根がないところだったが なんとか雨は降らないだろうと 能天気な思い込みで マットとシュラフを広げる。

寝ようとしていると 見慣れたバイクを発見。
GSF1200は 猫バスの先代のバイクだ。
私のは ノンカウルバージョンだったが こっちは私の師匠が乗っていたバイクと同じだ(そういえば 師匠は 今日小樽から帰る船に乗られる日だった)

声をかけてみると またもや大阪からのツアラー。
テントツーリングが初めてだとか言っておられた。

「うちのテントにどうですか?」と誘われたが 見も知らない人のテントで寝るのは さすがに厚かましいので 丁重にご辞退申し上げた。

やはり大阪人 気さくで見も知らぬ人にも 5分で仲良くなれるのは 美点だと思う。
他国の人は 馴れ馴れしいとか 厚かましいとか言うけれど そんなに悪いやつはそうそういないのだ。
警戒心も時として大切だとは思うけど 良いやつと悪いやつの見分けぐらいつけられるだろうに。フレンドリーな県民(府民)性は大阪人の長所であるはずだ。

彼は もっと話をしたかったようだが さすがに今日は神経を使って 連続市街地走行をしたので とても疲れていたため 先に休ませてもらった。
夜半 家族連れやカップルが 私を覗き込んだり 車で照らしたりしたが すぐ又眠くなって 寝てしまった。
人の気配で目が覚めるのはとても素早いが そのあとすぐに眠りにつけるのも 私の特技だ。やはり動物に近いのかもしれない。自慢にはならないと思うがzzzzzzzzおやすみ!


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